家族が認知症になったとき、誰しもショックを受け、とまどい、混乱に陥ります。家族は次のようなステップで認知症の家族を受け入れられるようになっていきます。第1第2ステップを早く通りぬけるためには、気持ちの余裕が必要です。
もの忘れがあっても感情は残るし、病気に対する自覚もあります。子供扱いせず、その人らしさや人としての尊厳を大事に接して下さい。
記憶障害のため不安が強くなり、昔の自宅へ帰ろうとします。
一緒に散歩をして、家へ帰るようにしましょう。
自分で財布をしまったのに、しまった場所が分からなくなってしまいます。そして、誰かが盗ったと言い始めるときがあります。一緒に財布を探して、本人に見つけさせるよう誘導していきましょう。
トイレの場所が分からなくなってしまい、間に合わないこともあります。
夜も電気をつけて明るくし、トイレまでの道順を矢印で示してあげましょう。室内にポータブルトイレを置くのもよいでしょう。
また、便座にうまく座ることができなかったり、尿意が分からないこともあります。
トイレに手すりをつけたり、排尿トレーニングをすすめましょう。
せん妄は急に起こることが特徴です。
周囲が暗くなると起こりやすく、夜間に興奮して眠らず、昼間にうとうとすることが多くあります。
就寝時は、適度な明るさと静かな環境にしましょう。時には添い寝のように布団を並べて寝ることも効果的です。
病院での治療や介護サービス、行政のサービスを上手に利用することで、その人がその人らしく地域で生活することが可能になります。介護する人はがんばりすぎずに、大変な思いを吐き出し、必要なサービスを上手に使って地域で認知症を支えていくことが大切です。
社会全体で認知症の人々を支えるため、介護サービスだけでなく、地域の自助・互助を最大限活用るすことが必要です。